◆今年6月、信濃毎日新聞に「東御のコメでうまい酒を 堀江貴文さんが田植え」という記事が掲載されていました。
この記事では紹介された長野県東御市八重原は、知る人ぞ知る「八重原米」というおいしいブランド米の産地で、私も長野県に移住してから17年間ずっと「八重原米」を食べています。なぜホリエモンが八重原で酒米を作っているのか、その酒米を作っている「株式会社太陽と大地」代表の栁澤謙太郎さんにお話しを伺いました。
栁澤謙太郎さんは東京の大学を卒業後、食品加工会社に就職し4年間勤務し、26歳で長野県にUターンして実家の米農家の仕事を始めました。「食用米だけでなく和食文化に深く関わりたい」という希望があり日本酒の原料である酒米を作り始め、自分が好きな酒蔵であった松本市の大信州酒造の契約農家となりました。
堀江貴文さんは、ワインなどに比べて割安な日本酒の付加価値を高めて、「高く売れる日本酒造り」を志しているそうです。そのために酒米づくりから関われる酒蔵を探し大信州酒造とつながって、そこからの紹介で長野県東御市八重原での酒米の田植えや稲刈りを企画するようになったそうです。(写真提供:株式会社太陽と大地)
◆実はおいしい「長野県産のお米」
長野県というと「果物や野菜の産地」というイメージが強く、「お米の産地」という認識はあまりないかもしれません。実際にお米の収穫量は、新潟、北海道、秋田の順で多く、長野県産のお米のシェアはわずか2.6%です。ただし10ヘクタール当たりのお米の収穫量は実は長野県が全国1位で、また一等米比率も常に長野県が全国1位か2位なのです。
つまり長野県では、棚田のような狭い田んぼも効率的に利用して、品質が高い美味しいお米を作っているのです。また長野県は標高の高いところでお米を作るので、病虫害も発生しにくくまた朝晩の寒暖差があるので、農薬をあまり使用せずにおいしいお米ができるメリットがあります。(写真は長野県東御市八重原の風景、写真提供:株式会社太陽と大地)
◆ホリエモンがプロデュースする日本酒、純米大吟醸「想定外」「想定内」
話をホリエモンが長野県で作っている日本酒、純米大吟醸「想定外」「想定内」に戻しますと、この日本酒の酒米は「獺祭」などで使う山田錦ではなく金紋錦を使っています。山田錦を使うとすっきりとした味わいの日本酒になり、金紋錦だとより深みの味わいの日本酒になるそうです。 金紋錦という酒米は、昭和39年に長野県で開発された酒米ですが栽培が難しく、また深みのある味わいで、「辛口淡麗」の日本酒が好まれていた状況下では栽培に取り組む農家が少なく、長野県の一部で細々と栽培されていたようです。金紋錦について詳しくは、「長野県の幻の酒米に挑戦する農家・酒蔵を応援したい!作り手の想いを醸した純米大吟醸」というMakuakeのページをご覧ください。ストーリーを知るとこの日本酒を飲んでみたくなります。
このように朝晩の寒暖差が大きい東御市八重原で作った酒米、金紋錦を使い、最も手間暇かけて作った純米大吟醸「想定外」は720ml でなんと33,000円です。同じく純米大吟醸の「想定内」は720mlで14,300円、ネットで購入することができます。 https://shop.koh-inc.jp/
◆日本酒やお米で「地産外商」「地産外招」
私の本「衰退産業でも稼げます」では、日本酒の海外販売を積極的に行っている「日本酒応援団」という事例を取り上げました。本でも説明したのですが、日本酒は今まで「地産地消」されてきた典型的な商品で、全国にある小さな酒蔵がその地域の嗜好にあった日本酒を作り、主にその地域で販売・消費されてきました。今ではネット通販が普及し、またこだわりの酒屋が各地の日本酒を取り扱うようになり、「日本酒応援団」のように世界に日本酒を販売する会社がありますので、「地産外商」がかなり実現しています。
冒頭の新聞記事のように、堀江貴文さんはオンラインでつながっている人たちと一緒に酒米を作りに長野県東御市に来ているので、この活動はローカルな魅力で外から人を招く「地産外招」の好例です。
◆今年の新米が買えます!
ちなみに八重原米を作っている栁澤謙太郎さんは、信州のお米をシンガポールやオーストラリアに輸出しています。海外でもおいしい八重原米が食べられるのは素晴らしいですね。これも「地産外商」の好例です。「おいしい八重原米を食べてみたい!」という方はぜひ株式会社風と大地のサイトで、今年の新米を買ってみてください!5kg3300円(プラス送料500円)、八重原米は粘り気と甘みがあるのが特長です。 http://www.kentaromai.com/
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